「内向型の自分にはどんな仕事が向いているんだろう…」と漠然と考えたりしますよね?
ぼくは最初公務員になりましたが、結果的に仕事が合わずに退職しました。
退職してみて改めて思ったのは、公務員の職場環境が全然内向型向けではなかったということ。
この記事では「内向型が向いている仕事の つのポイント」を紹介していきます。
このポイントに当てはまる数が多ければ多いほど、内向型の人が働きやすい仕事といえるでしょう。
①報酬や賞賛ではない理由で選んでいる
外交型と内向型は、それぞれ仕事にモチベーションを求める要素が異なります。
下記のように外向型は外発的動機、内向型は内発的動機がモチベーションになります。
外交型:より高い報酬、他者からの賞賛、社会的な地位
内向型:仕事への納得感、業務遂行の意義
例えば外向型は仕事に納得できなくても、上司の評価が得られるのであれば割り切ってこなします。
しかし内向型の場合、納得できない仕事に関しては外向型より大きなストレスを感じます。
逆に報酬が低くても『やる意味がある』と感じられる仕事には、ストレスなく取り組むことができるのが内向型です。
②集中を遮る会話やノイズが少ない
何もしていないのにノイズが多い環境にいるだけで疲れてしまった…という経験はないでしょうか?
内向型の人は外向型の人に比べて、「少しの刺激で満足できる」という特徴があります。
これは言い換えれば『刺激に弱い』とも言えます。
そのため先述した実験のように、外交型よりも内向型の方が最適な音量レベルが小さいという結果になります。
ギャンブルで勝ったときの外交型と内向型の脳の報酬系の活性化を比較した調査も参考になるでしょう。
上司や同僚との会話、作業を遮る電話、マルチタスク、オープンな職場環境など、これらは全て刺激です。
内向型の人が働きやすい環境を整えるためには、こうした刺激が少しでも少ない方が理想的でしょう。
③個人で集中できる作業スペースが十分に確保されている
プログラマーを対象にした実験があります。
最上位のプログラマーたちは、従業員にプライバシーや個人的スペースを十分に与え、物理的環境の管理を自由にさせ、邪魔されない状況に置いている会社で働いている率が圧倒的に高いという結果が出ました。
また「複数人で協力した方が良いアイデアが出てくるのでは?」と考える方には、以下の実験が参考になります。
単独作業と集団作業のブレストを比較すると、グループよりも個人で考えた方がたくさんのアイデアが出て、質も高い結果になりました。
以上のことから仕事の成果を高めるためには、「以下に個人で集中できるスペースと時間が与えられているのか?」という点が重要になります。
アップルのコンピュータを開発したウォズアニックの言葉を紹介します。
ひとりで働け。独力で作業してこそ、革新的な品物を生みだすことができる。委員会もチームも関係なく。
④マルチタスクではない
内向型の人は、外向型に比べて『マルチタスクが苦手』という特徴があります。
なぜなら、自分の内面との対話を好む内向型はタスクに向き合っている時も意識の何割かは自己の監視に割り当ててしまい、処理能力の全てを課題に集中できないためです。
課題数が多い場合、とくに時間や社会的なプレッシャーや、複数の処理を同時にこなす必要があると、外向型のほうが結果がいいことがわかっています。
100%の認知能力のうち、内向型は75%をその処理にあてるが、外向型は90%をあてます。
外向型は当面の目標に認知能力のほとんどを割り当て、内向型は課題の処理がどう進んでいるか監視することに認知能力を使うからです。
内向型は大きな集中力を発揮するのですが、一度集中するまでに時間がかかるという特長があります。
マルチタスクはタスクの切り替えが頻発し、その度に時間がかかってしまいます。
逆にひとつのことに集中して取り組める環境では、内向型の強みが発揮されます。
重要でない仕事は断ったり他の人に任せたりできる環境であれば働きやすさを感じることができるでしょう。
⑤電話や対面でのコミュニケーションが少ない
刺激に弱い内向型の人は、できるだけ刺激を減らすことで働きやすくなっていきます。
コミュニケーションはそれ自体が刺激ですが、方法によって刺激の大小も異なります。
対面や電話での顔を合わせた方法は刺激が大きく、チャットなどのテキストによるコミュニケーションは刺激が小さくなります。
また、内向型の人は『考えて言葉をまとめてから話す』という性質があります。
会議などで急に意見をふられて何も言えなかった経験がありませんか?
これは話を聞いていなかったからではなく、単純にそういったことに向かない性格・気質の問題です。
即答が求められずに刺激が少ないチャットなどのテキストコミュニケーションの方が、内向型の人には合っているでしょう。
⑥能動的なパートナーと一緒に進める体制がある
内向型に強みがあるように、外向型にも違った強みがあります。
それぞれが得意としている領域は違うため、互いに補い合うような関係になることが理想ですよね。
内向型の人は、自分には無いような能動的な側面を持ったパートナーとビジネスを進めていくことができれば、大きな成果を上げます。
外向型のリーダーは、部下が受動的なタイプであるときに集団のパフォーマンスを向上させ、内向型のリーダーは、部下がイニシアチブを取る能動的なタイプであるときにより効果的だ
公務員は内向型に向いていない仕事だった
ぼくは大学を卒業してから公務員になりましたが、振り返ってみると公務員は内向型が働きにくい条件をたくさん持っていました。
具体的に働きにくかったポイントを紹介していきます。
・電話や窓口で即答のコミュニケーションが求められる
公務員として働くと実感するのですが、窓口や電話の対応が本当に多いです。
やっていた作業もことごとく遮られる上に、即答を求められることも多く大きなストレスがたまりました。
・複数の人と協力して進めていくタスクが多い
たまに『コミュニケーションが苦手だから』という理由で公務員を目指す人がいますが、それは大きな間違いです。
公務員の仕事は基本的に複数の担当課をまたいで進めていく業務が多いため、必然的にコミュニケーションはかなり多くなります。
内向型のようにコミュニケーションで消耗してしまうタイプにとっては、かなり働きにくい職場といえるでしょう。
・いろいろな業務を並行して進めていくマルチタスク
人員削減などの影響で、公務員ひとりひとりの担当業務はどんどん増大しています。
公務員の仕事は誰でもできるとよく言われます。
確かにひとつひとつの作業はそれほど難しくないのですがとにかくたくさんの仕事をこなしていかなければならないため、マルチタスクができなければ厳しいです。
『プログラマー』が内向型にとって働きやすい つの理由
公務員を辞めて現在は、フリーランスのプログラマーとして生活しています。
『プログラマーは内向型が働きやすい環境』と強く感じた理由を紹介します。
①テキストコミュニケーションが中心
現在ぼくはプログラマーとして働いていますが、情報共有はSlackやチャットワークなどテキストベースが基本です。
普通に隣同士で座っていても、チャットで進捗を報告することも多々あります。
電話や対面の情報共有と違って作業を遮られたり即答を求められたりすることもないため、とても働きやすくストレスもありません。
②リモートワークができて個人の空間が確保しやすい
プログラマーの仕事はパソコンとWi-Fi環境さえあれば行えるため、リモートワークも可能です。
自分の好きな場所で働けるリモートワークは、当然自分の集中しやすい空間が確保できます。
急な会話や電話で作業を遮られることもないため、刺激に弱く集中するまで時間がかかる内向型にとってはこれ以上ない環境です。
③一つのことに集中しやすい環境
プログラマーの業務は上記のように作業を遮断するような外部要因が少なく、作業も一人あたりの裁量が大きいため、ひとつのことに集中しやすい環境が整っています。
マルチタスクが苦手な内向型にとっては、非常に働きやすい職業といえるでしょう。